雑記帳
通常の水素の方程式を2粒子系に対するシュレーディンガー方程式を出発点に導出する。
(書きかけ)
前書き
このページで説明を行うのは、水素の方程式というスタートラインに立つまでの道のりであり、方程式を実際に解く部分については次回行う。
また圏論的な見方を積極的に活用するというこのサイトの方針に伴い、変数ではなく写像そのものを重要視するということを意識して議論を進めていく。
これによって例えば、「写像」と「写像の取る値」をくどいほど明確に区別したり、「どの変数で微分するのか」ではなく「何番目の入力について微分をするのか」というようにして微分を考えたりなどしていくが、それらはそういった理由により意図して行われているものであるということを留意しておいてほしい。
水素原子を解析する方程式に辿り着くまで...

出発点となる大本の方程式 (2粒子系に対するシュレーディンガー方程式)
(..)
定常状態を求める方程式に書き換える
「シュレーディンガー方程式から与えられた系での定常状態を求める方程式を誘導する。」で説明した通り、上で与えたシュレーディンガー方程式で状態発展を追いかけることができる系の定常状態を求める方程式は、
(..)
原子核の位置を基点とする電子の相対位置に対して振幅を定める関数についての方程式に書き換える
(..)
球面の式を通して間接的に位置を指定できるようにした関数に対する方程式に書き換える
球面の式が合成された写像の微分が満たす関係式を求める
任意の基準点を とし、球面の式を通して空間内の一点を からの距離と方向を意味する入力から指定する関数を とする。
具体的には、 は

: 基準点からの距離 : 基準点から目標位置までの変位ベクトルの が張る平面上への射影ベクトルと とのなす角 : 基準点から目標位置までの変位ベクトルの が張る平面上への射影ベクトルとその大本の変位ベクトルとのなす角
としたとき、以下の関係式を満たす写像である。
余談
位置ベクトルを「原点と指定位置を結ぶ矢印」として見たときの、その極座標表示を考えているというよりかは、「3つのパラメータを用いて位置を間接的に指定する」という見方をとっている。
また極座標表示を考える場合、 を「z-軸とのなす角」として与えることが多いが、これについては後から合わせることができるため問題視する必要は無い。
ここで、「基準点からの距離」と「基準点からの方向」に分解して水素の方程式を考察できるようにするために、前節で求めた に関する方程式を
で定まる に関する方程式に書き換えていく。
まず が合成された任意の関数 の微分
がどういった形になるのかを、全ての について調べると以下のようになる。
行列を使ってこれらの関係式を一本の式に纏めると
が得られる。
見やすいように、
と置くと、
という関係式が得られる。
得られた関係式を方程式に適用する
先ほど得られた関係式
を に関する方程式に適用していく。
ここで、
これを整理すると
続いて各項を地道に計算していく。
■ の係数
■ の係数
■ の係数
■ の係数
■ の係数
■ の係数
■ の係数
■ の係数
■ の係数
以上を纏めると、
つまり、
が得られる。
表記を従来のものに合わせる
以下のような糖衣構文を導入する。
これらを使うと、方程式を以下のように書き直すことができる。
曖昧さが入ることを妥協し、値の適用箇所を省略すると
ここでさらに
と置き、 とその関数にこの入力の変換を合成した関数とを同一の記号で表した上で形式的に式をいじれば
より
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