雑記帳

カナダ留学の正直な感想

バンクーバーの Stanley Park から撮ったダウンタウンの写真
カナダ留学ってどうなの?
僕はカナダのバンクーバーに半年ほど語学留学へ行っていたのだけど、その嘘偽りのない正直な感想を綴っておく。
これからカナダのバンクーバーへ語学留学を考えているという方の参考になるかもしれないし、全くならないかもしれない。
良かった点
人当たりの良さ
多民族国家というだけあり、日本人だからと言って差別されるようなことは全くなかった。ショップの店員さんも人当たりが良い人の割合が高く、彼らの高速な英語が聞き取れなかったときに聞き返しても面倒そうな顔をせずにしっかりと対応してくれたり、去り際に「良い一日を」的な挨拶をしてくれたり。
「カナダは初めて留学する人でも安心」という謳い文句は本当に正しかったと思える。(少なくとも僕の体感では)
気候
率直に、夏に突入してからは普通に30℃を超える日も何度もあり、正直想定していたより遥かに暑かった。(何せ事前に聞いた情報では、夏でも30℃どころか25℃すらも超えることもあまりないと聞いていたので...)
とはいえ蒸し蒸しとしていない分、何もせず体力を奪われるような過酷な暑さではなかったのは確か。
一方で夏が始まるまでは、「ひたすらに雨」といった感じに曇天が続き、それで大分気が滅入っていた人が多く見受けられた。
治安
ホームレスは多かったが、特に大きな危害を加えられたということはなかった。(一度だけなかなかの距離を追われたことがあったけど、呼びかけ応じることなく振り返らずひたすらに歩き続けていたらいつの間にか居なくなってた。)
イメージ
さらに一度電車内で携帯電話 (iPhone) を紛失するという大事件が起きたが、ノートパソコンを使って TransLink のホームページの問い合わせフォームからその旨の連絡をしたところ、諦めかけた頃にふと TransLink から該当の貴重品が届いたというメールが届き、記載された場所に向かったら本当に手元にそれが戻ってくるという奇跡が起きた。治安が悪い国だったらこんな奇跡はまず起こらなかったと思う。
↓ 実際に届いたメール
TransLink から実際に届いたメールのスクリーンショット
※「7:03 AM」と表示されているにもかかわらず、挨拶が「Good afternoon」になっている理由は、タイムゾーンが日本のものに戻った後に撮ったスクリーンショットであるため。実際の現地での受信時刻は「3:03 PM」であり、afternoon であることに間違いはない。
公共交通機関
カナダでも「コンパスカード (Compass card)」って名前をした日本でいうところの「スイカ (Suica)」みたいな定期券として使えるカードがあるのだけど、それがなかなかすごい。
コンパスカードとスイカを並べて撮った写真
基本的にコンパスカードは購入時に指定したゾーン内だけで有効である一方で、土日祝日になると指定のゾーン規制が無くなり、まさにフリーパスと化す。
例えばゾーン1用のマンスリーパスを買ったとすると、平日ではそのコンパスカードはゾーン1の外側に対して無効だが、土日祝日になると、なんとゾーン2やゾーン3でも使用できるようになってしまう。
(ゾーン2に該当する Grouse Mountain に行った時も、これのお陰で別途追加の交通費がかさむことなく済んだ。)
ただマンスリーパスには、注意しなければいけない点もあって、まず
  • マンスリーパスの有効期間は「一ヶ月」ではなく「(15日までに発行された場合は) 発行した月の終わりまで
であったことと、確か
  • ある月で有効なマンスリーパスが発行できるのは、その前の月の20日からその月の15日までの期間
みたいなルールがあった。
(但し、こういった情報は時代と共に変わってしまう可能性があるので、鵜吞みにせず、適宜 TransLink のホームページをしっかりと確認してほしい。)
うーんと感じた点
日本人の人口
留学先として人気があるだけあって日本人が非常に多い。僕はコミュ障をこじらせていることと学校のチョイスがよかったことが幸いして、そういった環境にあっても日本語を使用する機会は指で数えるほどしかなかったけれど、実際身近に「海外にいるのに、海外にいる気がしない」と困っていた人は多かった。
(日本語を使用する機会は少なかったとはいえ、バスや電車、そして図書館にいるときでも、日本語をペラペラとしゃべっている日本人集団に日本語を聞かされるということが珍しくなかった。僕も家にいるときに友人と日本語で連絡を取り合ったり日本語の漫画を読んだりはしていたけれど、聞かないようには徹底していたので、そういった集団に会って、「なんだかな...」と思うことも多かった。)
物価
これは予めわかっていたことだけど、それでも高いと思わざるを得なかった。
(ダウンタウンにある Dollarama という日本でいうところのダイソーみたいな店や、Walmart という大型の店舗で販売されているものは比較的安価だったかな。)
ホームステイ
ホームステイは、本当に「運」だと思う
僕のステイ先は、結果として僕のハゲが飛躍的に進行したことが証明となっているように僕にとって良い環境といえる場所ではなかった。
イメージ
強調しておきたいのはホストファミリーは全く悪い人たちではなく、寧ろ
  • 休日家で英語のリスニングをしているとき、僕のホームステイのプランにランチは含まれていないにもかかわらずピザ等を差し入れてくれた。
  • 僕がドア下の隙間から部屋に入り込んできた虫に一人大騒ぎした後日、学校から戻ってみたらドア下の隙間が埋まるような細工をしてくれていた。
といったように気遣ってくれる程だった。(最終日に腰が抜けるような思いはさせられたけども...)
主な問題は、
  • 壁が遮音効果の殆ど無いような薄い壁で、基本的に音が全て筒抜け状態だったこと。これによって、もし夜中に誰かがトイレに向かった場合、その最中で発生するドアの開閉音や廊下を歩くその誰かの足音で目が覚めることもしばしば。
  • 10羽以上のインコたちが僕の部屋の扉の前に設置してあった一つの小さなケージで飼われていて、その空間が狭いことによるストレスからか、絶えず喧嘩をしていたこと。また繁殖活動も活発で、夜でもお構いなしに定期的に鳴き声を上げるひなたちにも悩まされていた。
  • ステイ先の地下に僕らのホストファミリーとはまた別のホストファミリーが住んでいて、そちらの方々がかなりやりたい放題だったこと。(ちなみにその地下に別のホストファミリーが住んでいることは事前に聞かされていなかった)
3番目についての詳細はこんな感じ ↓
  • そのホストファミリーが深夜早朝に洗濯機等を稼働させる。(そしてその地下のホストファミリーにお世話になっていた生徒さん曰く、僕の部屋のちょうど真下が、かなり耳につく低音の唸り音を上げる洗濯機やタンブラー乾燥機が稼働していた場所だったらしい。)
  • そのホストファミリーの娘が夜遅く、ふと1階に上がってきて大声をあげながら電動バランススクーターに乗って僕の部屋の前の廊下を何度も何度も往復するという不可解な儀式を始める。
今さらだけど、思ったことがあったらとにかくダメ元でも意見を伝えた方がよかったのかなということを少し後悔している。
(とはいえ、「意見してみたけど何も変わらなかった」という話も聞いているので、どうなんだろう。)
また、同じ学校の生徒たちの意見を聞く限り、ステイ先としてフィリピンの家族の割合が高い。
加えて、そういった人たちに共通する話として、「そのステイ先で聞く英語には特徴的な訛りが入っている」ということ。
僕のステイ先でも、息子さんたち以外はタガル語を使用していることが圧倒的に多く、英語は本当に最低限。そしてその英語には他の生徒さんたちが説明していた通りの特徴的な訛りが同じく入っているのでいざ話しかけられても何を言っているのか理解するのが困難だった。
息子さん (ホストファミリーで唯一僕の名前を正しく覚えた子) は英語ネイティブだったので、語学学校の先生が使っていたような聞きなれた綺麗な英語を喋っていたわけだけど、思春期真っ只中ということで話してくる内容も下ネタが大部分を占めていた。(そのせいで変な言葉を覚えてしまった)
彼だけは「ヒカル (Hikaru)」という正しい名前呼んでくれていたけど、彼以外のホストファミリーたちからは「ヒラク (Hiraku)」や「ハルコ (Haruko)」といった違う名前で最後まで呼ばれ続けた。
イメージ
大満足なステイ先を引くケースの方がレアである印象を受けたので、ここまでとはいかなくてもホームステイに関してある程度妥協することを求められる留学生は少なくない気がする。
後悔
空港でのサポートを頼んでしまったこと
留学出発前に友人が空港まで来てくれようとしたのに、僕が留学エージェントを頼んでしまっていたその旨を正直に伝えたら「それでは留学エージェントの邪魔になってしまうかもしれないし」と気を遣って来ることを遠慮してしまった。(連絡を返す前にもちろんキャンセルの連絡をしようとしたけど休業日でできなかった)
これについては今でもかなり後悔している。僕は最初「サポート」というくらいだから、付きっきりでサポートされるようなものをイメージしていたけど、蓋を開けてみればEチケットの情報が記載された紙を渡されてそれでおしまい。しかもその紙に印刷されていた元データは事前に受け取っていたメールに添付されていたデータの一つであり、既に手元にあったもの。もちろん僕自身で印刷して持ってきていたので、ただただやるせない気持ちでいっぱいになった。このお粗末な結末が事前にわかっていたら、今頃友人と一緒に空港を散策できたかもしれないのになと泣きたくなりながら渡航前の数時間を一人過ごした。大切な友人との時間を返してくれ。
留学エージェント選びが軽率だったこと
僕は留学エージェントとして スマ留 様を選んだのだけど、同じ学校の生徒さんたちから聞いてやはり思ったのは、留学エージェント選びは結構慎重にやった方が良いかもしれない。
まず「ホームステイ / シェアハウス」の問題。契約の段階では、8週間分の料金しか払っていなかったことは認識していたものの、留学エージェントさんからは特に何も注意喚起が無かった辺り、向こうでは「シェアハウス料金は何処もクレジットカードで決済できるものだろう」という浅はかな考えを僕は持ってしまっていた。しかし、現実はそんなではなく、ただでさえ空いている手ごろな料金のシェアハウスを見つけること自体が難しいのに、そこに「クレジットに対応している」という条件が加わると、ほぼ確実に見つからない。さらに「クレジット対応」のシェアハウスには悪質な場所も紛れ込んでいる可能性がありかなり高いリスクが伴うことにもなる。渡航前にそういった事実を把握していなかったため、もちろん現金はそこまで多く用意しておらず、そういうわけで少々割高になるけれどクレジット決済による「ホームステイの延長」という手以外残されていなかった。加えて、ちょうど円安が進み始めていたこともあって、その毎月のホームステイ延長料金の支払いはなかなか大きくなるという結果に。(クレジット決済の手数料は約 $40 程度だった)
まあ、僕自身による下調べ不足といわれてしまえば確かにそうなんだけど、「初留学」ということで僕としては
  • 下手に自分で勝手に動かず、料金を支払って契約を結んだ相手である留学エージェントに身を任せるのが得策だろう (留学エージェントさんを素直に信じたかった)
という考えだったので...
一応僕が頼んだ留学エージェントさんについて正直にまとめておくと
  • カナダで出会った日本人留学生の中でも同じ留学エージェントさんを選んでいた人は確かに多く、公式サイトで謳われている「年間利用者数が多い」という実績は本当なんだなと感じた。
  • その留学エージェントさんを選んだ人たちから共通して「サービスの質は決して良質といえるものではなかった」という意見を聞いたけれど、別に悪質というわけでもなく、そういった文句の一方で安さについてはよかったと言っていた。
  • とはいえ僕みたいに受け身な姿勢だともしかしたら大分損をすることになるかもしれない。
ステイ先で本音を伝えなかったこと
「ホームステイ」の節でも既に述べたように、僕が思っていたことを伝えてみた方がよかったのかなというちょっとした後悔がある。でも伝えたところで結局何も変わらないオチを迎えていたかな。
Q&A
日本と異なる点の内、特に印象的だったことは?
  • エアコンが取り付けられてない
  • アルコールへの規制
カナダでは屋外での飲酒は原則として違法であり、販売されている場所も限定されていたこと。例えば自販機やコンビニでは販売されてない。 僕自身は酒類を(醤油等の調味料やお菓子の添加物として含まれていたものを除けば)一切口にしたことがないくらいなのでこれといった不都合を被らなかったけれど、日本では違法とされているものが合法である一方、日本ではあまり悪者扱いされていないアルコールへの規制が逆に厳しいのはなんだか新鮮だった。色眼鏡で見ずに薬理作用という点だけに注目してみればアルコールというのも危険なものの部類に含まれるというのも確かに頷ける。
イメージ
ホームシックは大丈夫だったのか?
問題なし。
カナダ留学を経て得られたことは?
  • トッポッキという美味い韓国料理の存在を知ったこと
  • リスニング力とスピーキング力
Tteokbokki イメージ
特にスピーキング力に関しては、卒業時の僕のスピーチが多くの人たちに好評だったことからも、留学前と比較すると自他共に明確に認識できる程えげつないくらいには向上した。リスニングについては留学以前からディズニー作品やYouTubeを使って長年英語シャワーを浴び続けてきていたこともあってすぐに適応できたけれど、アウトプットする機会がゼロだったので初期段階におけるスピーキングは本当にひどかった。
また、帰国後に TOEIC 公開テストを受けてみたところ、そこそこな点数を取ることはできたので、リスニング力とリーディング力についても向上したといって間違いはないはず。
タグ: 日記